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Side 空
放課後の掃除当番を僕は買って出た。
僕が休んでいる間、クラスメイトが代わりにやっていてくれたようだった。
学校を休んだ事で、色んな人に迷惑をかけてしまい、僕は反省した。
ちゃんと来なきゃダメだ。
みんなに迷惑かけないためにも。
自分の為にも。
教室の掃除をし、ゴミをまとめてゴミ捨て場へ向かった。
道すがら、さっきの体育教師の事を思い出す。
あの体育の先生、いい人だったな。
見た目はワイルドでちょっと怖そうに見えるけど、喋ってみると気さくで、多分優しい人なんだろうと思った。
それに、ちょっとカッコよかった。
僕は背も小さいし、筋肉もないから、憧れてしまう。
そんな事を考え、一人で笑みを浮かべてしまっていたことにハッとし、周りを見渡して咳払いをした。
ゴミ捨て場でゴミを捨て、教室に戻ろうとしたが、数名の男子生徒に前を遮られた。
誰だろう?
僕に用?
「あの、何か用ですか?」
「うお、可愛い声!」
一人が大きい声で言ったのでビクッとしてしまった。
「やべー、近くで見るとめっちゃ顔ちっちゃくね?」
「色白いなー!これで男かよ」
僕の事をジロジロ見ながら彼等が口々に言った。
僕は、彼等が今朝の体育の時間の前に教室に来ていた3年生達だと気付いた。
「ずっと、学校に来なかったから会いたかったぜ、結城空くん」
「な、なんで、僕の名前…」
なんで知ってるの?
友人の「あいつら、結城の着替えを見に来てるんだよ」という言葉が脳裏をよぎる。
「ちょっと俺らと来てくんねーかな?」
手を掴まれた。
僕は身の危険を感じ始めた
「は、はなしてください」
「おい、暴れんなよ。」
「そうそう、そんな細い腕で抵抗したって無駄だぜ」
4人で羽交い締めにされる。
「やだっ、離して…ッ」
それでも僕は懸命に抵抗した。
「ったく、仕方ねーな」
突然鳩尾に重い衝撃が走った。
奴らの一人の拳が僕のお腹にめり込んでいた。
「―ッあ」
痛みで僕は倒れ込む。
ぐったりとした僕は、彼らにもたれ掛かるような形で運ばれた。
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