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Side 空
「お疲れ様でした!」
「はい、お疲れ様」
21時にバイトが終わった。
明日は、また先生とのダンスの練習の日だ。
僕は、意気揚々と帰宅の道を辿っていた。
「すいません、道を教えてください」
人通りの少ない通りに出たところで、道を聞かれた。
マスクをして帽子を被った男の人だ。
「あ、はい、どこに行きたいんですか?」
そう言うと男はポケットに手を入れ、紙を取り出した。
でも、それは地図じゃなかった
―大人しく付いてこい。
そう書いてあった。
一瞬理解できず固まっていると、紙と一緒に取り出したであろうナイフをチラつかせてきた。
「いいな?」
男は小声で言った。
僕は恐怖のあまり、震えながら小さくコクコクと頷いた。
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