4 / 155

第4話

ふらふらとよろけながら立ち上がる僕を、大きな手が掴んで支えてくれた。 「うわ、こいつ、顔色悪いな。おい、意識あるか?」 頬を数回叩かれたが、僕は徹夜明けで眠いので起きるのを放棄した。 そんな俺を、彼は貧血か何かと勘違いしたのだろう。 軽々とお姫様抱っこしてくれると保健室へ向かった。 感じるこの体温。 僕は彼の匂いを嗅ぎながら、確かに感じていたこの恋へと加速していく気持ち。 保健室へ到着する頃には、こう思ってしまっていた。 ――絶対にこの人と結婚しようと。 一目会ったその日から、ブチ犯したいと恋に落ちることもある。 あんなにどんな美女がきても欲情しないと思っていた僕は、抱きかかえられながらもその体温に、――その汗ばんだ体臭に、その低い声に欲情を止められなかった。 今まで女しか抱いてこなかったこの僕が、男に欲情してその理由は、恋以外に何があるというのだろう。

ともだちにシェアしよう!