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第5話
その人は、一撃でドアのカギを開けた。
立て付けが悪くて、少し揺らせば鍵が開くと言っていたのは本当だったようだ。
そして僕をベットに寝かせると、自分も堂々と隣のベットに眠ってしまった。
……信じられない。慣れた手つきが超格好いい。
隣から寝息が聞こえてきてから、僕は起き上がりドアが揺れないようにロッカーに入ってあった箒で押さえた。
そして隣で眠っているその男の人のベッドのカーテンを開けた。
「……イケメンだ」
布団をかぶって丸くなって眠っている人。
眠っているのに眉間に皺が寄ってる。
日本人って感じの濃い眉毛が半分ない。
剃ってるようで不自然に細いし、耳にはピアスが数個。
髑髏のピアスなんて、いかにも悪ぶってる高校生って感じ。
地毛は真黒なのだろう。生え際が黒い茶髪。
しかも筋肉が嫌味なくついていて、腕なんて僕の太ももぐらいありそう。
「……っ」
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