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第6話

どうしてだろう。格好いいのに、女の子みたいに柔らかくない硬そうな男なのに。 散々昨日、女を抱いたのに。 無防備に眠ってるこの人の寝顔見ていたら、股間がむずむずする。 安物のパイプベットは、僕が片足を乗せると軋んだ。 上から見下ろしたこの人を、なぜか唾を飲みなががら股間を硬くしていく僕。 「……んんっ」 気配を感じたのか寝返りを打つと、少し汗ばんだ胸がこんにちはと顔を出す。 やばい。日焼けした後がくっきり残っていて、胸が白い。 この人、そこら辺の女よりなんでエロいの? 上から跨って、首元の匂いを嗅いだ。 締めきった保健室で、布団をかぶって眠っていたのが熱かったのかな。 むわっと広がる汗の匂いに、少し柑橘系の香水が混じってる。 やばいやばいやばい。この匂い、僕の匂いで上書きしてみたい。 「嘘、だろ」 この僕が。 この女の子沢山食べ放題、絶世の美少年のこの僕が。 名前も知らないイケメンに欲情してるなんて、嘘だろ。 片手で股間を押さえながら、意地でも起きなさそうな男を観察する。 意志が強そうな上がった眉。 プライド高そうだし、偉そう。 その上、この筋肉。喧嘩だって強そう。 なのに白い肌って、可愛い。 この人、女に不自由しなさそうだよね。 「あれ……?」 股間が更に固くなっていく。 見ず知らずの僕を抱きかかえてくれたこの男。 もし僕に襲われたらどんな顔しちゃうのかな。 どんどん息が荒くなる。 見たい。 おかしい、僕はホモじゃない。 でもこの屈強な男が屈服するところが見たい。

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