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第22話

駅のホームに到着すると、俺たちの周りには誰も近づかなくなる。 そこまで怖い見た目ではないし、喧嘩なんかしない。 一歳上のバスケ部部長が俺の体操服を盗んだときは殴ったが、奴はその破廉恥な行為をばらされたくなかったのか俺が荒れただの、脅迫しただの色々根も葉もないうわさをばらまいたが、俺だって体操着が男に盗まれたなんて言うかよ。 信じる奴は何人かいたが、同じバスケ部の仲間は誰一人信じなかった。 だから俺は友達は裏切らないし、大切にする。 喧嘩なんて自分のためにはしない。 「なあ熊谷、これから皆でカラオケすんだけど行く?」 「お前ら受験生って自分たちで言ってたじゃねえかよ」 「だってさあ。隣のS女の子たちとだぜ。めっちゃ可愛い子ばっかなんだよ」 「……う」 隣の女子高っつたら、校門前に常に先生が見張ってるし、駅までの帰宅ルートは先生たちが立っているらしい。 バスや自転車での登校禁止で、徒歩以外駄目で、俺たちと接点がほとんどない。 大事に大事に育てられたお嬢様ばっかなのに、俺らみたいな汗臭い男どもとカラオケ? 「行きたいが、今日は駄目だ」

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