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第24話
すっげ可愛い顔で、じいっと見下ろしてしまった。
どんな得を積めば、こんな可愛い顔で生まれてくるんだ。
睫毛は女みたいに長いし、目も大きい。色も白いし肌もすべすべしてそう。
陰毛とか生えてなさそうな、『神様が作った最強にきれいな男』を具現化したような綺麗なやつ。
「あの、熊谷先輩、今朝はありがとうございました」
「ああ。体調は良くなったみたいだな」
髪をなでると、柔らかくてびっくりした。
すぐに自分の髪を触るが、硬くてゴワゴワしていて最悪だった。
「あの、僕のクラスの子たちが先輩が保健室で女性連れ込んでたって言ってたんですけど」
「気にしてねえよ。誤解されることは慣れてる」
「いえ。ちゃんと僕言っておきました。先輩は倒れた僕を助けてくれたんだって。僕を女性と間違えたんじゃないかなって。本当にありがとうございました」
「……いや、気にすんな」
性格も完璧かよ。
俺は何回ぐらい生まれ変わったらこんな顔で生まれることができるんだ。
「それだけです。すいません。ここ空いてたから並んじゃって。一年が生意気ですよね。向こうに行きます」
「一年とか三年とか気にしてんじゃねえよ。たかが数年の違いで威張ったりするやつは俺が殴ってやるよ。ここにいろ」
「勃起しそう」
「あ?」
「いや、憧れちゃうって。へへ。ありがとうございまーす」
ちょこんと隣に並んできたが、意外と距離が近くで驚いた。
人懐っこいやつみたいだ。
「お前、この電車で見かけねえけど」
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