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第26話

名前まで可愛いのかよ。 嫉妬してしまいそうになる。 「お前、知らねえかもだけど、ここから電車混むからよ。俺から離れるんじゃねえぞ」 「は、はい」 「お前みたいな小さいのは、押しつぶされる。今度からはもう一つ早い電車で帰るんだな」 ホームに電車が入ってくる。 すでにぽつぽつ乗っているので、これからなだれ込んでくる俺たちのために端によってくれていた。 俺も明昌の肩を引き寄せる。 すると、明昌は分かりやすいぐらい耳まで真っ赤になってしまった。 可愛いやつだ。 「すまん」 「や、あの大丈夫です。先輩がいい匂いするから」 「いい匂い?」 何も香水も制汗剤もつけてねえぞ。 こいつの方が、甘ったるいにおいがする。 「おかしな奴だな」 「へへへ」 恥ずかしがっていたくせに、俺にぴとりとくっつくと開いた電車のドアにスキップしそうなほど軽快に入っていく。  電車の中はやはりどんどん後から入ってくる奴らのせいで窮屈だった。 踏ん張って明昌が苦しくないように隅に守ったが、バスケ部を引退してから体力も落ちたのかもしれない。背中がぐぐぐっと壁に押し付けられていく。 「ふがっ」 「すまん」 俺の胸に顔をうずめた明昌から、悲痛な声が聞こえてきて申し訳ない気持ちになる。 「え……筋肉柔らかい」

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