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第27話
「力いれてねえしな。揉むな」
「これ、ブラしてなくて大丈夫ですか! ノーブラですか!」
真面目な顔で見上げてくる明昌に、俺は吹き出してしまう。
「おま、男にブラって。俺がピンクや赤のブラしてたら引くだろ」
「はい。先輩は純白か黒がいいです!」
いまいち会話になっていなかったが、さらに奥に押し込まれ、急いで壁で支えた。
「っく」
「あの先輩、大丈夫ですか?」
「ああ。だが俺が少しでも動くと邪魔になる。悪いが耐えてくれ」
ぎぎぎっと背中が悲鳴をあげているが、俺はまだ耐えられる。
だがこれから三年間電車で通うこの一年生に電車が苦痛だと思わせるのは忍びない。
なるべく守ってやらないと。
「せんぱい、胸が当たって、ます」
「男の胸ぐらいでガタガタ言うな」
「だって」
電車が揺れて、奴の手が俺の胸をとっさに掴んだ。
服の上からなのに、その感触に力が抜けそうになる。
「おま」
「ごめんなさっ。でも身動きできない」
ぐりっと明昌の指が乳首を押しつぶした。
ぐりぐりと捏ねられているようで、熱が湧き上がってくる。
「手、どけっ――ろ」
ぐにぐにと弄られて、腰がゆらめく。
つま先で立って踏ん張る。が、どうしても感覚が胸に集中してしまう。
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