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第43話
「……は?」
「僕、先輩が好きです。おっぱいがでかくて頭悪そうで、淫乱系が好きだったのに、先輩が好きです……」
「……お、落ち着け」
先輩が肩まで浸かっていた湯船から体を出す。
なので逃げないように足を絡ませた。
「本気です。観てください、僕のちんこ! 勃起してます!」
「おま、ぐろ、グロい。まて、グロいから仕舞え。股の間に仕舞っとけ!」
「この大きさが仕舞えると思えますか!」
「思わんん! にぎっとけ!」
ガーゼを頭に投げつけられて、さらに膨張してしまう。
ああ。冷たい言葉もたまらなく素敵だ。
「お前、きもっ」
「はあ!? さっきゲイとか性癖とか関係ないって言った! 言ったのに!」
「それは俺以外なら、だ。俺を含ませるな。俺は無理。無理無理。男とか無理。むーりむり」
最低だ。さっきまで格好いいなって思ったのに。
頼れる兄貴だって思って、格好いいなって思って、踏まれてもいいってゾクゾクじてたのに、ひどい。
ひどすぎる。
「先輩、僕と結婚してください」
「いやだ」
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