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第48話
本気で股間をこのバットで数回殴ってやろうと思って飛び出したら、やつは風呂場から姿を消していた。
代わりに、閉店したはずの一階のラーメン屋から親父の声が聞こえてきた。
「てめえ、その股間いますぐ出しやがれ!」
ラーメン屋へ駆け込むと、親父が俺にフライ返しを投げてきた。
「おい、クソガキ! てめえが拾ってきておいて、帰れって男のする行動じゃねえぞ」
「は? 何も知らねえ親父が何吹き込まれてんだ!」
「マスター。怖いですう」
親父の後ろに回り込み、投げキッスしてくる明昌に本当に殺意がわいてくる。
「クソジジイ。退かないなら、仕方ねえ。お前の股間ごとそいつの股間を壊す」
「何を言ってんだ?」
「ううう。ごめんなさい。僕がずる剥けで、先輩が半被りで。僕の方が大きくてごめんなさい」
「てめえ」
「ちんこの大きさで後輩を脅してんじゃねえ!」
理不尽な言いがかりで、俺は親父に二度目のフライ返しを投げつけられた。
その後ろで、投げキッスを再びしてくる明昌を、俺はいま潰しておかないと一生後悔すると思い、そのフライ返しを顔に投げつけた。
クリーンヒットして後ろへ倒れていく。
どんな強靭な肉体を持つ男でも弱点はある。アキレウスとかバルドルのヤドリギとか。
こいつはいくら肉体が恐ろしい筋肉だろうが所詮、顔が弱点だったらしい。
簡単に倒れて転がりまわっている。
「うわああん。先輩が僕を傷物にした! お嫁さんになってくれなきゃ呪い犯す!」
「てめえ、まだ言うか。そのグロチンコ今すぐ出せ、使えなくしてやる!」
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