50 / 155
第50話
「あのお父様に免じて、二階ではR18な行為は致しません。一緒に寝ていいですか?」
「いやだ。帰れ」
バットを振り回して暴れると、途端に下を向いて涙を目に浮かべた。
「僕だって、先輩を見てこんなに体が火照って、自分でもよくわからないぐらい不安なんです」
「知るか」
「……わかりました」
トボトボと店の外へ出ていこうとする。
俺が貸したTシャツと、俺の中学時代の体操服のズボンで帰っていこうとしている。
「おい、どこにいく?」
「家には帰りたくないので、そこらへんでモブでも犯すか女の子に泊めてもらいます」
「は?」
「先輩みたいな屈強な筋肉のモブに、勃起しなかったら僕の愛も証明できるかもしれない。手荒い行為ですが、まずはそんな体の人を見つけたら、襲ってきます」
おまわりさん、いますぐこいつを隔離してくれ。
本気で隔離してくれ。
複雑な家だから帰りたくないって言ってたこいつを、無理に連れてきたのは俺だ。
「男には二言はねえな?」
「……先輩」
二階には親父も来るし、チビたちも眠っている。
変な気が起きるはずもない。そう信じるしかない。
「手、縛るがいいな?」
「え……そんな縛る方ならしたことあるけど、……大丈夫です」
「プレイじゃねえよ」
ともだちにシェアしよう!