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第50話

「あのお父様に免じて、二階ではR18な行為は致しません。一緒に寝ていいですか?」 「いやだ。帰れ」 バットを振り回して暴れると、途端に下を向いて涙を目に浮かべた。 「僕だって、先輩を見てこんなに体が火照って、自分でもよくわからないぐらい不安なんです」 「知るか」 「……わかりました」 トボトボと店の外へ出ていこうとする。 俺が貸したTシャツと、俺の中学時代の体操服のズボンで帰っていこうとしている。 「おい、どこにいく?」 「家には帰りたくないので、そこらへんでモブでも犯すか女の子に泊めてもらいます」 「は?」 「先輩みたいな屈強な筋肉のモブに、勃起しなかったら僕の愛も証明できるかもしれない。手荒い行為ですが、まずはそんな体の人を見つけたら、襲ってきます」 おまわりさん、いますぐこいつを隔離してくれ。 本気で隔離してくれ。 複雑な家だから帰りたくないって言ってたこいつを、無理に連れてきたのは俺だ。 「男には二言はねえな?」 「……先輩」 二階には親父も来るし、チビたちも眠っている。 変な気が起きるはずもない。そう信じるしかない。 「手、縛るがいいな?」 「え……そんな縛る方ならしたことあるけど、……大丈夫です」 「プレイじゃねえよ」

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