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熊谷 炬隈の場合。
俺の朝は早い。
弟たちと親父のご飯を、冷蔵庫から適当に集めて電子レンジに突っ込んで温めなければいけない。
庭に干してあるタンクトップを適当に選んで着替えなけらばいけない。
弟たちの給食カバンと箸を忘れていないかチェックしないといけない。
トイレが長いクソジジイより早くトイレを済ませ、着替えて洗面所を使い終わっていなければいけない。
忙しいのだ。
だが、今日の朝は違った。
バラの花の匂いに目を覚ますと、俺の股間をチューチュー吸っている明昌に起こされた。
「おひゃようごひゃいます」
「なんで朝から俺のちんこ咥えてんだよ」
驚いて縮んだわ。明昌はちゃんと両手をベルトで縛られたままだ。約束を守ってくれたようだ。
「だって、朝起ちしてたから妻の役目として」
「誰が妻やねん」
付き飛ばして、濡れた股間をティッシュで拭きながら明昌をにらむ。
「早く準備しねえと、ジジイがトイレを占領したら遅刻だぞ」
「ふふ。下の準備なら、僕がもうしておきました」
イエイと縛られた手でピースをしようとしていたので、拘束を解き下に降りて驚いた。
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