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第60話
「えええ。先輩ったらけっこう、そっちい?」
「は? 駅弁はいろんな種類があるから見た目も楽しいだろ」
「はいい。見た目も楽しいです。あとは僕の体力ですね。先輩を持ち上げれる体力」
「は?」
なんで駅弁に俺を持ち上げる体力がいるんだ。
こいつの言っていることは全く分からない。
「まあいい。電車が来たら俺とお前もこっから別々だ。もう他人だ。いいな」
「いやです」
「俺はお前を振った。俺はお前を金輪際家に呼ばない。かかわらない。つまり他人だ」
これ以上、この変態に振り回されたくない。
駅のホームには同じ学校の制服の奴らは見えなかったから好都合だ。
本当にこいつとはかかわるつもりはないのだ。
いじめられたり云々も、こいつなら本気出せば追い払える。
「……他人だなんて、僕の待ち受け見てくださいよ」
「は?」
携帯の液晶を見せられて、固まった。
いつの間に撮られたのか、俺に騎乗した明昌が俺の口にちんこを突っ込んでいる。
爆睡している俺の口に。
「なんだよこれ!」
「これは僕の夜のおかず用です。で、こっちが本命ですよ」
見せられた画像は、俺の上に乗った明昌がぽろぽろ泣いている。
俺の股間の上らへんで座って、昨日縛られた手を俺の腹に置いて、どうみても嫌がっているような……。
「僕が先輩にごーかんされてるように加工した写真です!どうですか!」
「極悪すぎる!」
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