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第61話

「大丈夫です。僕が先輩を思う気持ちを、否定しないならこの写真を、父の経営しているラブホ32店舗のホームページに載せたりしません」 「質が悪すぎる脅しだな」 全力でこいつの腐った性格に引くわ。 飽きれていると、ふわりといい香りがした。 「ここ、空いてると思ったらめえ君がいるー」 「おっはよー、めい君。昨日はどこに泊まったの?」 振り返ると、OLらしき綺麗な女性二人が明昌に抱き着いて頭をなでている。 「今日は先輩の家に泊まったの」 「えー、わ、めっちゃイケメンだね」 「やっほー。次、4pしちゃう?」 朝焼けの空。人の少ないホーム。勉学の励むために向かうホームで、出会った乳のでかい綺麗なお姉さん二人。 その口から4Pと言われ、固まった。そんなただれた言葉が出るとは思わなかった。 「固まっちゃった」 「ふふ。可愛い。めいくんと違って初心なのかな?」 「あのよお」 頭を掻きながら、二人の女を見下ろす。 「綺麗なんだからよ、好きな男とだけしてろよ。俺みたいな高校生からかわなくても、まじめに付き合ってくれる男がいるだろ」 よりによって明昌と遊んでるなんて。 明昌が羨ましいぐらいだが、ぐっとこらえた。 ―

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