64 / 155
監禁したいぐらいの愛がこぼれてる。
羊谷 明昌の場合。
僕は、めえめえ泣きながら通学電車の中、OL二人のおっぱいに挟まれて泣いた。
昨日、僕をお姫様抱っこして保健室へ連れて行ってくれたのに、今日は違うサラリーマンを抱えて駅員のところへ行くなんて。
僕だけじゃなくほかの人も簡単に抱きかかえちゃうなんて、先輩の尻軽ビッチ。
誰でも簡単に抱きかかえちゃうなんてビッチだ。
僕だけが特別だったわけじゃない。僕みたいに貧弱そうな人を放っておけない兄貴肌。
もう僕の中身がエロ大魔神で貧弱じゃないとわかった今、ポイ捨てなんてひどい。
やり捨て並みに、ひどい。
「ううう……先輩、好きだよう……ううう。おっぱい揉みたいよう……」
「あっと、頑張ってね」
「ディルドだけは、連絡くれたらいいの教えるからね」
おっぱいで励ましてくれていた二人も僕の様子に本気で引いて、そそくさと電車を降りて行った。
でも確かに駄目なんだ。僕にはあの二人の体じゃもう駄目なんだ。
今まで抱いてきたどの女よりも、先輩が好きなんだよ。
体の相性だってばっちりの予定だし。
「……これが片思いってやつなのかな」
胸と股間が苦しい。
先輩の写メを見ながら、両方がきゅんと切なくなった。
ともだちにシェアしよう!