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第69話

「三回死んでも、三回とも僕は先輩の太ももかおっぱいで圧迫死します!」 三回とも死因が俺とかマジ勘弁してほしい。 はっきり言ってやりたいが、関わっていたらいいことがない。 こいつは可愛い顔を武器に、これからも生きていけるだろう。 俺なんていない方がいい。 「ああ。先輩の汗の匂いって、赤ちゃんの首筋みたいな、たまらない匂いです」 「うっせ」 ずるずる引きずりながら三階の三年のクラスに行くと、黒板に大きく自習と書かれていた。 「担任が黒板にこれを書いたらすぐに職員室に戻っていったんだ」 「今からクラス長が、先生がコピーしてる試験対策プリント持ってくるってさ」 「なんだよ。走ってきた意味ねえじゃん」 こいつが庇わなくても遅刻は免れたのかもしれない。 「違うよ、先輩。先輩が助けた相手が、有名なエスてサロンの御曹司だったんだよ。その人の父親と、アメリカでカジノ経営してるって祖父が来日しててその二人が学校にお礼をしたいって。記念碑でも建てるんじゃない?」 「俺の記念碑……。いらねえー」 あのサラリーマン、色が白いなって思ったらハーフだったのか。 顔色が悪くなるはずだな。 「というか、お前、三年の教室まで入ってくるなよ」 「こぐま、その一年どうしたの?」 俺の周りに集まってきたバスケ部の奴らが、俺の背中にしがみつく明昌を覗き込む。 「あれ、こいつ一年でハーレム作ってるやりちん君じゃね?」 「やだー。やりちんなんて! 下品ですよー。ねえ、先輩」 うるせえ。ぐろちんこ。 とは言わず、振り払う。 「きゃっ」

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