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第75話
屋上に上がると、すでに3on3でバスケをして遊んでいた。
屋上の二メートルフェンスにゴール結び付けて、少し空気の抜けたバスケットボールでここで遊ぶのが受験生である俺たちの息抜きだ。
と言っても、俺以外は推薦予定だったり就職先がとっくに決まっているから楽なんだろう。
「あれ、結局そいつ舎弟にしたの」
「まあな。ここまでされたら無下にはできねえ」
腕の中一杯の焼きそばパンを見せると、やつらもボールを投げ捨ててやってきた。
「先輩は、足の故障で推薦が取り消されたんじゃなかったんですか」
「なんで知ってるんだよ」
「先輩のことならなんでも知りたいので。でもここでバスケはできるんですね」
「お遊びぐらいなら支障はねえよ。でも試合中のゴリラみたいなパワーは足に負担がかかるから駄目なんだよ」
膝までズボンをめくって、皿の部分を手術した傷跡を見せる。
日常生活には何も問題はない。
「もっと見せてー」
「いやだよ」
焼きそばパン、二個目を頬張りながらしっしっと追い払った。
「じゃあ先輩、今から勝負しましょう。バスケで!」
「は?」
「負けたチームは、一枚ずつ服を脱いでいく。パンツ一枚になったチームが負けで」
明昌がきゅるんと可愛い顔で、ほかの野郎たちにも強請る。
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