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第77話

「なぜだ。あっちにハンデがあっても関係ねえだろ。部長の俺がついてるのによお」 「あはは。じゃあ、ハンデいりませーん」 小さな体を回転させて俺たちの壁をすり抜けて、ゴールを決めた。 また負けてしまった。 仕方なく靴下を脱いでいたら、ハッと明昌の顔がゆがむ。 「だめ! 靴下は片方でいちまいなの!」 「は?」 「片方でいいです。あ……暖かい先輩の靴下」 「頬擦りすんな!」 あまりの気持ち悪い行動に、ほかの二人が俺に耳打ちしてきた。 「なあ、お前の舎弟さあ」 「ああ。気持ち悪いよな、やっぱ」 「靴下片方だけって、バランス感覚狂わせようって考えなら、すげえ腹黒いのか計算高いのか、敵にしたらやべえよ」 「そっち?」 絶対にありえねえ。ただの変態だぞ。 俺の靴下を、自然とポケットに仕舞おうとしていたので奪い返しておいた。 「先輩、次に負けたらタンクトップじゃなくて下着脱いでよ」 「なんで靴下じゃねえんだよ。やるか」 「あっ」 ボールを奪うとすかさずダンクシュートを決めた。 フェンスにくくりつけただけの安いゴールは、いつまでもぐわんぐわん揺れている。 「お前ら、一点だぞ。脱げ、脱げ脱げ」 ようやく取れた一点に、明昌以外の二人は渋々上の服を脱いだ。 が、明昌は迷わずズボンを脱いだ。 「え、でか」 「てか、ブーメラン。赤いブーメランパンツ、すっげ、うける!」 ギャハハと笑うほかのやつらに、後ろを見せる。 ケツがほぼ見えている。女みたいに綺麗な尻をしているが、正面を向くと小さい布からはっきりわかるぐらい大きな膨らみにめまいがする。

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