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第78話

「先輩、さあ続けましょう。先輩の安い339円のパンツを賭けて」 「趣旨が違うし、値段当てるな」 商店街の安売りで買った下着だから、さらに半額なのまでは知らねえだろう。 「お前の舎弟、ちんこでかいやん。勝てるかなー」 「靴下一枚でバランス感覚狂わされたー。俺ら駄目だー」 超弱気になっているチームメイトの肩をたたく。 「俺のチームが負けたこと、あったか?」 「炬隈……」 「俺がお前たちを、絶対に優勝させてやる。あんなブーメランパンツなんかに負けんな」 「ああ。そうだよな」 俺たちは、青空の下、パンツとタンクトップと片足靴下の姿で円陣を組んだ。 昼休みの遊びのバスケだが、ここまで来たら負けられねえ。 あの膨張率のおかしいちんこを持っている変態に負けるわけにはいかねえんだ。 やる気を出すために、両頬を思いっきり叩いた瞬間だった。 『3年の熊谷炬隈、至急職員室へ。大至急職員室へ』 まさか放送で呼び出される日が来るとは思わなかった。 しかも、大至急と言われて嫌な予感しか感じない。 「こぐまー、行った方がいいんじゃねえか?」

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