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第80話

「今朝はありが」 「ここまで来れるってことは元気っすね。じゃ、これでもう終わりってことで」 そそくさと屋上に戻ろうとしたら、ドアの前に先回りされ、立ちふさがれた。 よく見れば目が青い。紺碧色っていうのかな。 女子が言っていた、金髪碧眼の王子様って感じの線の細い男だ。 なよっとしている印象だが周りの女の教師の目がハートになっていることから、こいつはイケメンだと判断する。 それにどっかのカジノ経営の祖父がいるっていってたっけな。 「私の名前は、樹木寺 優。エステサロンを全国に展開している一応社長を名乗らせていただいている」 「ほおほお」 「さきほど、君の担任から君が左足を故障していると聞いた。うちはエステサロンだが、マッサージ代わりにぜひうちで体を癒してください」 「は?」 「お礼です。君にはうちのVIP専用のカードを。もちろん無料だ。あとこの電話番号は社長の私に直通で――」 つまり社長であるこいつの電話番号をもらったということか。 「いらねえ」

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