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第89話

羊谷 明昌の場合 「ね、ここはどうです?」 「うーん。気持ちいいかな」 エステとは名ばかりのセクハラが気持ちいい。 紙のパンツの上から、やわやわと触れて俺のハッピースティックはハッピーしている。 この、谷間を見せてくるお姉さんのテクニックからではない。 隣の部屋から聞こえてくる、痛そうな声の先輩のせいでハッピーしている。 「ねえ、先輩の足のマッサージってあんなに痛そうなものなの?」 おかしいとは思っている。普通のマッサージをしてくるかと思えば、マッサージやエステなんで全くせず谷間を見せてきたり触ってしごいてきたり。 有名な高級エステ店で、こんなセクハラが起こるのはおかしい。 絶対におかしい。 「――っ、い、っぎ、ぶ、ぎぶっ、もげるっ」 「何がもげるか見てくる!」 先輩の一大事に、いてもたってもいられずハッピースティックを握りながら飛び出した。 「あ、だめよ。社長があなたには私がおもてなししてって言われてるの」 「でも」 「こんなに固くして……このままでいいの?」 先輩にはあんなに言ったのに、僕の方がAVみたいな展開を受けている。 先輩は大丈夫だろうか。もげてないだろうか。 「お姉さん、先輩が痛そうだから僕も怖いんだ」 「あら、こんなに可愛いのに……経験ないの?」 エロい分厚くてセクシーな唇から、ちろっと赤い舌が見えた。 たまに童貞キラーの綺麗なお姉さんがいるけど、この人はビンゴかもしれない。 昔なら遠慮なく味見していたけど、今は駄目だ。僕は先輩に操を立てる予定なんだ。

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