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第92話
「……え」
「飲むんだ。……君みたいな若い子の出す、アレを、ね」
「えええ?」
叩いていたドアは依然揺れている。
が、マッサージで散々弄られた体は上手く動かせられない。
濡れてよれよれになった紙の下着を太ももまでずり下ろされたと思ったら、彼はなんと俺の股間にむしゃぶりついてきた。
「樹木寺さん!」
やべえ。これ、もしドアの外の明昌に気づかれたら、エロいことだと勘違いされて賭けに負けてしまう。
樹木寺さんの健康療法が精液を飲むなんて、信じられないし引くけど本人がこんなに若いなら、意外と間違いではないかもしれない。
だが、この状況はきっと明昌は療法だと信じない。
「ほへ、ほほほほ、んほ、んほ?」
「なんて言ってるか、分からない! ってか」
口の中、あったかくてぬるぬるして、ちょっと気持ちいいじゃねえか。
目を閉じて女の子想像したら、結構悪くねえ。
ズズッとバキュームみたいに遠慮なく吸ってくるから、少し痛いんだけど、先端や裏筋を舌でチロチロされるのは悪くない。
女の子。これは淫乱な女の子。女の子。
だから早く終われ、終わらないと明昌が、――明昌との賭けが。
下半身の快楽に、あともう少し何か足りないと思っていた時だった。
搾乳機でびんびんに立っていた乳首をつねられた。
「――っっ」
びくびくと腰を樹木寺さんの顔に打ち付けながら、俺は男の口の中に射精してしまった。
廊下に明昌がいるスリルと、樹木寺さんのテクと、乳首への刺激でたった数分で吐き出してしまった。
「……薄い。喉にひっかからない。たんぱく質が、足りない。君、昨日抜いたの?」
「抜いてねえよ……」
息を切らしながら答えるが、抜いてはないが明昌にセクハラされたことだけは覚えていると言っておこう。
「うーん。でも味は悪くないかな。若い子は美味しいな。10マン払ってでも毎日飲みたい」
「……うわあ」
が、きらきらと若返った彼が、てきぱきと俺の体を拭いて小さなシャワールームのドアを開けてくれた。
「さ、廊下の彼が入ってくる前に身支度を」
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