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第93話

飲んだ瞬間、用なしだと言わんばかりの行動に殴りたくなる。 こいつ、俺に恩返しがしたいわけじゃなく、健康療法で飲みたかっただけか。 まあ、健康療法ならエロじゃないし、足のマッサージもちゃんとしてくれたし、今回は俺の賭けは勝ちのようだが……世の中には明昌のように羊をかぶった変態や、樹木寺さんみたいに年を取らない美形とか、謎の療法があるのだと少し驚いた。 「先輩、無事ですか!」 「うわ、入ってくるなよ」 シャワーを浴びて体を拭いていると同時に、明昌がカギをあけて入ってきた。 手には、細いワイヤーを持っている。開けたのか。 「てか、お前、なんちゅう格好で廊下にいたんだよ」 紙のパンツ一枚で、針金つかって鍵開けるとは変態か。 「先輩、やっぱこのエステ、変ですよ。大丈夫でした?」 「すっげえ足のマッサージは痛くて、油の搾乳は死ぬかと思ったけど、まあ初エステだからこんなもんなのかなって。てかよお」 パンツを穿きながら明昌をにらむ。 「お前、女のエステシャンにナニされてたんだよ。すげえ気持ちよさそうな声出してたよな。何されたんだ。あ? ナニされてたんだよ」 うらやましい。俺なんて痛い搾乳と、バキュームフェラを男にされてたんだぞ。 それに比べてこいつは可愛い声でイチャイチャしていた。 「僕の方は、痴女だった」 「は?」 「怖かった。女の人ってすぐあんなことするんだもん。経験のない先輩の方がやっぱ好き」 うおおお、何をされたのか言えよ。 俺も痴女がよかった。 「おや、私の店のエステシャンがお気に召さなかったですか? 申し訳ありません」

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