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第98話
「ほら、英兔(えいと)くん、烏丸(からすま)くん、あげはくん、ご飯粒、ついてるよ」
「新妻みたいに、世話してんじゃねえ。あとお前らもこいつは歩く18禁だからさっさと行け!」
俺の言葉にうなずくと、三人は飯を掻き込みだした。
何が怖いのかわからないが、空気からこいつが邪の塊だとわかってくれたらしい。
「……先輩、僕これだけは言っておきますけど」
「なんだよ」
「僕たちの子どもには、キラキラネームつけないようにしましょうね」
うるせえ。現実的な名前にすると、リアルで名前が知り合いに居たら可哀そうだから、登場人物にはわざとキラキラネームにしてんだよ、と誰かが言っていた。
「それより、お前、その格好はやめろよ。毛とか落ちるだろ」
「そうですか? わっ」
急に明昌はわざとらしく俺にお茶をかけた。
「大変。拭かなきゃ。おしぼり……」
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