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第101話

やばい。 あいつは俺を餌付けしようとしてんじゃねえだろうか。 本当に駅弁を買いに行った明昌を捕まえることができず、一人で登校していると屋上メンバーが後ろから走ってきた。 「炬隈、今日は遅刻してないとか関心じゃん」 「うるせえよ」 「今日はそわそわしちゃうよなあ。俺も眠れなかったわ」 元バスケ部だけあって、五人で並ぶと壮観だ。 周りを避けながら1,2年が登校しているのは、少し気分がいい。 「あ? 今日何かあったっけな」 「一学期の中間テストが返ってくるってよ」 「うっげ」 「一学期の中間は内申にあんま影響ねえらしいけど、学期末テストはやべえよ。勉強しねえと」 「……お前らは推薦もらってんじゃん」 推薦で大学や、就職予定の奴らだ。 俺も大学の推薦はもう無理だが、就職ならバスケで結果残ってるしそこそこあるかもしれない。 「俺も就活、かなあ」 「炬隈は、あの怖い親父さんが大学行けってお玉もって追いかけてたじゃん。就職とか、おまえラーメンの出汁になるぞ」

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