102 / 155
第102話
「まあなあ……」
だが足の故障で大学推薦が取り消された時も、麺の水を切るあれ持って追いかけられた。
金がないから、特待生で学費免除でしか入学できないとまで言われた。
だったらそこまで貧乏なら、弟だってまだ三人いるんだし俺、頭そこまでよくねえし、大学じゃなくて高卒で働きたい。
それを、帰ってきたテストを見ながら三者面談して決めればいいわけだ。
授業のたびに返される答案用紙をみながら俺は首を傾げた。
確かに勉強はしなかった。勉強しようにもどこからわかってないのかわからないしな。
「おい、お前ら」
答案用紙の、点数のところを折った答案用紙を見せっこしている奴らを覗く。
俺より明らかに正解が多い。
「お、炬隈はテストどうだった?」
「今回って50点満点のテストだよな?」
俺の一桁の答案用紙を見て、奴らは固まっていた。
「え、えー……」
「ちょっと、炬隈、国語の漢字テスト部分になんで記号書いてんの?」
「数学みろよ、あみだくじした後もある」
「まあな。分からないところも、空白は許せねえから。だがこれってどうよ」
流石に俺もこれはやばいとわかる。
平均点が78点の数学のテストが22点。
難しい科学のテストが平均48点に対して8点。
15点以下は欠点と言われ、補習が行われるが俺はほぼ補習だった。
「昼休みはバスケ辞めて、炬隈くんを励ます会しよっか」
ともだちにシェアしよう!