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第106話
「全く。いいか、俺はバスケの指導があるから、プリント作っておいとく。自力で解け。としか言えねえからな」
「どこからわからないのか分からねえんだよ」
藁にもすがる思いで、筋肉馬鹿で頭がよさそうに見えない先生に追いすがる。
「大丈夫だ。中学一年生から高校一年までの問題を作っておいた。この四枚でどこから勉強をやめたのか分かる」
「おおお、すげー。あざっす」
「君のことを思う、匿名の舎弟くんのアイデアだぞ」
「……は?」
匿名って、舎弟は一人しかいねえじゃんんか。
あいつ、何先生に助言してんだよ。
「……」
お前だけには嫌だって、冷たくしてしまったのに、あいつ……本当に変態だけどいいとこあるよな。
「終わったら提出しとけ。明日はお前の解答からレベルを決めるからよ」
「あざっす」
先生と、舎弟である明昌に感謝しながら俺はプリントをめくった。
そしてものの五分で睡魔が襲ってきたのは言うまでもない。
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