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第115話
「え、だってそんな精力なさそうな顔なのに? あんなにズボン、あれなのに」
「うるせえなあ。そればっかだな」
「あ。鰻の出前が来た」
「うなぎ……」
パタパタとスリッパの音をたてながら、樹木寺さんが一階まで出前を取りにいく。
あの人、たまたま貧血のこの人を助けた俺にどこまで優しくしてくれるんだ。
この人なら、健康療法だし色々分かるんだ。
だが明昌は許せない。
好きだ、ほれた、だのいいながら結局いつも身体だ。
男なら、男らしさで何かするべきだろ。
はっきり拒否してなら、あきらめることも大切だし。
なのによお、あいつ。
「くそう。もっと殴ればよかった」
縛って、目を隠して、口だけっッて。
あの瞬間、俺は穴みたいな扱われて最悪だった。
そんな風に扱われてるのに、興奮していた自分も信じられないが、好きなやつを穴扱いする男なんか、男じゃねえ。
あんなのは許したらいけない。
「炬隈くーん。ごはんにしませんかー」
「ああ、悪い。先に親父に連絡しとくわ」
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