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熊谷 炬隈の場合。 一方そのころ、スッポン鍋を食べていました。
「すっっっごく出ましたね! スッポン効果ですかね。明日も食べましょうか」
「……複雑すぎる」
女の手でも口でもないのに、百戦錬磨みたいな技をつかってくる樹木寺さんに、簡単に飲まれた。
飲み込めなくて、口の中でくちゅくちゅと唾液と混ぜてから飲み込む仕草に、死にたくなってきた。
「……あのよお、樹木寺さん、だれか彼氏作ればいいんじゃねえのか」
「え、私ですか? うーん。毎日三回は濃いものを飲ませてくれる彼氏……負担が大きいんじゃないでしょうか」
「自分の飲めば?」
栄養ドリンクを渡されて、何気なく飲みながら言うと、樹木寺さんは顔を青ざめた。
「自分のなんて無理。生理的に気持ち悪い」
「……健康療法なら仕方ねえんじゃないの」
「うーん。絶倫な若い男の子の精液がいいなあ。そういえば、君の舎弟くんも、おいしそうだよねえ」
「……あのくそ鬼畜野郎の話はしない」
栄養ドリンクをゴミ箱に投げると、冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の中は、俺がリクエストしていた肉がどっさり入ってる。
すっぽんも見た目は生臭そうだったけど、すげえ美味しかったし、こんな高級な肉も食べたことがなかったし、贅沢は怖い。
「何があったか聞かないけど、君、私のペットに永久就職してくれませんか?」
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