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第131話
「えーっと、君に汚された彼にうなぎやスッポンを食べさせたけど、手は出してないですよ」
大人の余裕ある笑顔で濁された。手は出していない。手は、ね。
「そんな精力の付く食べ物ばかり食べさせたってことは、飲んだんですね」
「まあ、彼は真面目な子だから。健康療法ですって言ったら飲ませてくれたよ」
「このやろう!」
あの先輩なら、絶対に絶対に絶対に信じてしまうじゃんか。
あのお馬鹿で騙されやし先輩なら騙されちゃうじゃんか。
「でも君も、そうやって騙してなにか手荒いことをしたんでしょう。可哀そうに。意気消沈してたよ。味も最初は薄くて切ない苦い味だったね」
ふふふと笑った後、樹木寺は僕の股間を触ってきた。
「安心して。私は若かったら誰でもいい。――彼が駄目って言うなら、君のを飲ませてもらおうかな」
「無理。僕、でかいから」
無理無理と手で追い払うと、樹木寺の目が光った。
輝やかんばかりに光り、尻尾も見える。
「彼のように皮がある子も舌でつつくの面白いけど、巨根も好きだよ。喉の奥を刺激して苦しい感じとか、たまらない。ぜひ、お金を払うから」
「……」
この人、絶対にドMのネコだ。僕と先輩の間に入り込む敵にはならなさそう。
だけど、僕の先輩に口を出したことは確かなんだ。
「明昌!」
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