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第143話
エレベーターに乗り込もうとした俺の手を、明昌が掴んだ。
が、思い切り開いていないドアにおでこをぶつけてしまった。
「うわあ……ただでさえ馬鹿なのに、脳細胞が死んだ」
「先輩、僕に好かれてないのがそんなにショック?」
「は?」
にやにやしながら、俺のおでこにハンカチを差し出してくれた。
が、明昌の顔が気持ち悪い。
「でも残念ですね。僕は、樹木寺さんに咥えられた先輩を、ガンガンに犯したい欲求は急低下しています。どうしても僕に犯されたいなら、先輩から今度は頼まないとね」
「……俺が頼むわけねえよ。ほら、今度こそ、乗るぞ」
「ふうん?」
にやにやと笑う明昌が気持ち悪い。
なんだ、こいつ。
なんで俺が明昌にぶち犯されたいんだよ。
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