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第146話
「それにお父様のラーメン美味しいし。あの狭いラーメン屋でバイトする先輩、尊いし。先輩が汗だくでバイトした後の汗とか舐めたいし監禁したいのに。それなのに! 簡単にやめるなんて言わないで!」
「……おい、ここ四人部屋だろうが」
他のベットの人たちが一斉にカーテン閉めてしまったじゃないか。
「明昌くん」
「リハビリしたら動くようになるって言ってたし大丈夫ですよ。頑張りましょう」
「お前、お前、ほんとうにいいやつと夫婦になれるなあ」
夫婦にならん。それに、さっきのこいつの発言を思い返してみろよ。
「先輩も、ね。頑張りましょう」
何を企んでいるのか。
そう思ってしまうほど、純粋な明昌の顔は少し緊張してしまう。
でもこれで、俺の就職先を急いで探さなくてはいけなくなった。
大学はもう本当に無理だ。もともと勉強できなかったからいいけど、どうしようかな。
「っせんぱい?」
明昌に気づかれないように曖昧に頷きながら、俺の悩みは尽きないのだった。
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