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第150話
こんなガタイだし、見た目が怖いし、ごついしゴリラだし。
下手したら新卒の先公より老けてたりするもんな。
だからこんな風に子どもみたいに扱われるのは新鮮だし、少し嬉しかった。
「そういえば、病院とここの往復で、家の片付けが進んでないんじゃない? 手伝うことある?」
「いや、商店街の人が手伝ってくれたし、粗方終わってんだよ。あとは風呂場ぐらい」
「まあ古いボイラーからの出火だったからねえ」
なんだかんだ話していたら、インタフォーンが鳴った。
「誰? モデルルームの見学者?」
「ああ、明昌くんでしょ。彼の分も食事を用意してたんだ」
「明昌!?」
さっき病院で別れたばかりなのに、また会うのかよ。
俺に興味なくなったんじゃなかったのかよ。
「思い込みが強いけど悪い子じゃないよね」
「……まあ」
「彼に隠し事したり逃げたら、後々面倒だよ。あの子は直球ストレートおばかだからね」
その通りだと観念するしかねえ。
『開けごまー』
「開いてますよ」
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