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第152話

「もちろんです、もちろん。向こうの寝室に行きましょう」 「今からかよ、あいつらリビングに居るんだぞ!」 弟三人を指さすと、二人はきょとんと首をかしげる。 「健康療法って治療の一環でしょ?」 「いやらしいことをするわけじゃないんです。飲むだけだし」 「ねー」 明昌が樹木寺の腕に手を絡ませると、恋人のように寄り添いながら寝室へ向かう。 俺も健康療法だし世話になってるから飲ませてたし、別にいやらしい理由はなかった。 だが、明昌はそれでも怒ってたくせに自分は良いのかよ。 俺はお前に義理を立てて、こんなに世話になってる樹木寺さんにもうしないって断っていたのに。 自分はいいのか。 「おい、待て」 「……なに?」  明昌はこちらを振り向かなかった。 「俺はお前に悪いなって辞めてたが、お前がいいのなら俺がする」 俺は袋の中に入っていたニンニク二つを口の中に放り込んだ。 ううう。せめて料理に刻んで使ってほしかった。

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