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俺が幸せにしてやると言っているのに、怯えるこいつがムカつく。
金もある。
広い家に住まわせてやる。
言葉にするのは苦手だが、身体だけでも満足させてやるのに。
それに、――火事だ。
あの火事は、こいつを狙って行ったのならば俺はこいつを一人になんてしてやらない。
ストーカーならまだマシだが、婆の回りの汚い連中たちが未だにこいつを狙っているとしたら。
俺の腕の中で守って見せる。
誰にも侵入できない、俺の腕の中に閉じ込めてやる。
この綺麗で寂しそうに瞳を揺らすこいつを、俺が守ると約束したのだから。
Side:榛葉
雨の音がする。
遠くで雨が降り始めたんだ。
洗濯物を入れないといけないから、ベットから起き上がろうと身を捩る。
「――っ」
声にならない腰の痛みに思わず目を見開いた。
「起きたか」
「――あ、なたは」
「声も大分掠れたな」
雨の音では無かった。
シャワーの音だ。
部屋に湯気が入って来ている。
何度も何度も立花さんに遊ばれた身体は、あちこち悲鳴を上げていて、泣き過ぎた声は枯れてしまっている。
「あと30分で家を出ないと間に合わないから、お前を眠ったままつれていこうかと思ったが起きたのなら身体を洗って拭いてやる」
手を伸ばしてきた立花さんに思わず喉がひゅっと鳴って大きく身体が揺れてしまった。
「……」
無言の立花さんに見下ろされて、飛び下がろうとして目を見開く。
「あっ あっ」
起き上がろうとしたら、身体が痛くて視界が滲んできた。
俺は昨日、この人の玩具にされて好き勝手されてんだと目頭が熱くなっていく。
「俺を怖がるな」
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