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「家では常にそれでいてもらう」 短くそう言われて、そのまま先に行ってしまった。 彼に俺の言葉は要らないのだろうと思うと、ここにも絶望しかなくて俺は此処にいる自分の価値が見出せないでいた。 ――――――――――――――― Side:立花優征 キッチンの引き出しに確か寒田が置いて行ったはずの救急箱を探す。 腰が痛むなら湿布がいいのか、昨日無理し過ぎたあの部分は軟膏でもぬるべきなのか。 救急箱を見つけたが、次は何がいいのか分からずに眉を潜める。 取り合えず救急箱を持ってリビングに戻ると、榛葉の姿は何処にもいなかった。 「おい?」 トイレや寝室や、榛葉用のあの和服を飾った部屋にも行ったがいない。 玄関の扉が開いた音はしなかったが――。 そう思って窓際のバルコニーを覗くと、観葉植物の後ろでカーテンの中にくるまっている榛葉がいた。 「そこで何をしている?」 ブチブチとカーテンごと抱き締めて、ソファに放り込む。 カーテンを引き剥がすと、両手でYシャツの裾を引っ張って足を隠そうと真っ赤になっている榛葉が見えた。 その白い太ももには痛々しい昨日の名残が赤く浮かんでいる。 足を開かせる為に太ももを触った痕も残っていた。 「み、見ないでください。お願いだから、俺」 これ以上ないぐらい親切にしてやっているのに、こいつの口からは不満ばかり。 俺にはソレが腹立たしい。 お前だって何も見ていないではないか! チューブ式の軟膏を手に取ると、そのまま榛葉の上に馬乗りになった。 「やっ、だ」 抵抗なんてしらない。 人差し指に軟膏を絞ると、そのまま腫れているだろう部分へ指をなぞらせる。 染みたのか目を見開いた榛葉に苛々の限界だった。 荒々しく唇を重ねると、そのまま体重をかけて逃げれないように追い込む。

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