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両手で俺の肩を押し返していたが、すぐに俺の肩から手を離し、カーテンを握り締めていた。 「俺のことがそんなに怖いか」 自分で言っておいて、凹んでしまうから笑ってしまう。 こんなに善処しているのに、こいつは上辺しか見ていない。 だから、騙されたり裏切られたり、本質を見抜く力がこの馬鹿からは足りなさすぎる。 こんなに俺が――お前を思っているのに、もっとお前を知りたいと思うのに、 スルスルと逃げてばかりだ。 「こ、わいです」 今も、そんな言葉で俺を簡単に切り刻んでくる。 「それでも、俺に逆らう事は許さないからな!」 怖いと震える榛葉の肌に触れて、その温もりを感じたかった。 こいつを俺の腕の中に留まらせる言葉なんて俺には分からないから、だから抑えつけてやる。 絶対に離さない。 縮んで強張っているソレを、Yシャツを捲り軽く握ってみる。 震えて怖がる癖に真っ赤になる顔が愛らしかった。 Side:榛葉 ソファに両手を付き、腰を突き出す恥ずかしい格好で、俺は果てた。 何度も何度も執拗に其処ばかり触れてくるから――頭が真っ白になる。 でも、昨日の行為で腫れあがったあの部分には触れず、キスや愛撫のみで立花さんは寝室へ消えて行く。 正直に怖いと告げたら、一瞬だけ傷付いた顔をしていたけれど、 でも俺を今、この状況に追い込んで、俺を玩具にしている人を怖くないはずなくて。 分からない。 分からないけど――このまま夜が来るのが怖かった。 (寝室に入ったまま、出て来なくなった) 汗でベタベタになった肌に、シャツが貼りついて気持ち悪いし、軟膏を塗ってもらったから椅子に座ると下着は身につけてないし座れない。 ソファで仕方なく寝転んでいると、下のオートロックの方のインターフォンが鳴った。

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