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「愛沢さん、この状況はおかしいんですよ? 分かってますか?」 「はい。大丈夫です。俺、立花さんを信じてみます」 健気に榛葉が笑うので、寒田は溜め息を吐くと俺を睨み付けた。 「いいですね? さっきみたいな事したら、後見人辞めますからね」 大きい釘を刺しながら、寒田は去っていく。 それを見送る榛葉の肩は震えていた。 信じるなんて嘘だ。 こいつは俺が怖い。 怖いのに逃げ出す事はできない。 そちらの方が怖いのだともっと植え付けてやる。 今、外の世界は何も知らない榛葉には危険しかない。 それならば閉じ込める。 「俺を選んだご褒美をやろう」 榛葉の肩に手を置くと大きく肩をゆらした。 後ろから玄関の鍵を締めて、榛葉の髪に顔を埋める。 「ズボンと下着を脱いで、ソファに座れ」 「――っ?」 「早く、言うことを聞くんだ」 side:愛沢 榛葉 『俺には――お前が必要だ、榛葉』 その言葉の真意が知りたくて、すがり付きたい寒田さんの手を取れなかった。 それに寒田さんを巻き込んで、――寒田さんの自宅や事務所に放火されたら俺はどんなお詫びをしていいのか分からないから。 俺が下着を脱ぐのを、立花さんは目を反らさずに射抜くように見ていた。 そしてソファに座らせた俺の前に跪くと、俺の足を左右に開いた。 「立花さんっ」 「――前を触ってやる」 立花さんの大きな手が伸びて、俺の中心をやわやわと握る。 あ、足を開いているのでさえ恥ずかしいのに、人に――人に触られるなんて。 「一言でも『嫌だ』と拒絶したら噛み千切ってもいいぞ」 「え、あっ立花さ―――」 ドクンと大きく波打ったのはその快楽からだ。 躊躇せずに立花さんが俺のを口に含んだんだ。 わざと唾液を含ませて舌で先端を舐めとる。

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