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「別にお前が起たなくても、俺さえ起てば問題ない」 「…………っ」 その頬を染めた理由はなんなのか――お前こそ言葉にすればいい。 「優しくしたいと思っている」 「そんなの、信じられない、です」 「だが、お前が俺を狂わせる」 怯えて震える今さえも、そのベットに散らばった髪も、白く細い首も……全て。 両手首を離し、そのままキッチンへ向かうと冷蔵庫から水を取り出す。 酔っている榛葉は反抗期みたいで可愛いげがないが……愛しい。 だが本音は酔ってない時に聞いて欲しいと思う。 「飲め」 寝室に戻りそう言い捨てると、手首を擦っていた榛葉がこっちを見る 「ありがとうございます」 服の袖を引っ張り隠したので、捲り上げると真っ赤に握った後がくっきり浮かんでいた。 白いから目立つ。 「すまん」 「……いえ。大丈夫です」 目線を反らしたまま力なく笑う姿は痛々しい。力で、言葉で捩じ伏せて。 自由もなく心を凌駕して縛りつけて。 今、俺が何を言っても、榛葉には恐怖でしかないのだろうが。 俺は水を口に含み、俯く榛葉を下から覗き込むように唇を重ねた。 そして顎を掴み、少し口を開いた所で口移しで水を飲ます。 何度も何度も。 「んんんっ」 もう飲めないと肩を叩かれても、口の端から零れ落ちても。 ペットボトルの水が殆ど無くなるぐらい飲ませた後は、水が口の中からなくなり唾液だけになっても舌を絡ませるのを止めなかった。 「これも怖いか?」 素直に頷いた榛葉は小さな声で言う。 「下半身が……熱くてむずむずしてくるから、怖、いです」 「そうか。どこがむずむずする?」 いつの間にか……寒田が居なくなった後に脱いだのだろう。 白い足を、脹ら脛から上へ手を這わせていく。 「此処か?」 わざと太ももで手を止めて、優しく聞くと真っ赤になって首を振る。

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