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「それでいい」 意思だけは奪わなれない。 お前を奪うのも傷つけるのも、俺だけでいい。 嫌われようと怖がられようと――今はただお前を守る。 また、ばあさんと笑っていた時のような……平穏を手に入れるまで。 俺がお前を守る。 嫌われても。 「明日から、仕事を覚えてもらう。給料も出す」 「…………?」 榛葉は、何を言ってるのか訝しげに伺っている。 「お前に仕事を任せて居場所を与える、と言ってるんだ」 そえ伝えると、睨まれた。 「それで抱く。お前は壊れないように強くなれ。回りを疑うんだ。もっと。もっと」 「もちろん貴方もですよね?」 そう言われたので皮肉をこめて鼻で笑う。 「抱くときだけは、優しくしてやる」 「――――っ」 「風呂に入って、ゆっくり温まり、今日は安静にしていろ」

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