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なのに。 「――優征が佐之助の元に向かったらしい」 「え? ゆかりさんの義弟さんに?」 「何を企んでいるんでしょうね」 寒田さんのお薦めの唐揚げ屋さんの唐揚げをテーブルに並べ、一緒にサラダを作って気分転換をしようって言っていた先での出来事だ。 食欲なんてなかったけれど、久しぶりに料理ができて嬉しくて。 でも怖くなった。 嫌な予感がして――今朝みたいな映画のような怖いことが起こる気がして。 それなら俺が出れば撃たれる事はないんじゃないかなって思った。 身体はまだ恐怖で震えていたけれど、 寒田さんに懇願して車を出してもらった。 佐之助さんが毎日の様に入り浸る時雨壮に着いた途端、誰かに車の窓をノックされた。 「何をしてるんですか?」 呆れたような困ったような表情で菊池さんが窓に張り付いていた。 「菊池さん、お怪我は!?」 「私の事は良いですから、早く此方の車に乗って下さい!」
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