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報道番組がテレビに映し出されると、リューさんは小さく声を漏らした。
俺は首を傾げつつ、そのテレビに視線を送った。
コンビニに、パトカーが三台停まっている。
入り口の扉は粉々に割れているし。
「うわあ。酷いですね」
強盗だろうか? ここまでしなくてもいいのに。
リューさんの顔も少し歪んでいる。
「これ、このマンションから一番近くのコンビニだよ」
「そうなんですか?」
俺の外出は、立花さんと常に一緒だから自由に周りに出かけられるわけではない。
なので、周りの地形がいまいちまだ理解できていない。
映像はヘリからなのか、コンビニが小さく映し出されてて良く見えない。
リューさんがテレビの音量のボリュームを上げた。
『コンビニに拳銃を持った男が押し入り、売上31万を奪って逃走。二発銃弾が入口に打たれーー』
「もしかして、榛葉さんって、一人暮らしの時、よくコンビニに行っていましたか?」
「……はい。仕事が遅くなった日はコンビニでお弁当とかで済ませちゃってましたし、決済とか家賃とかほとんどコンビニだったし」
その言葉に、リューさんが沈黙する。
下を向いて、俺の食べたお皿を見つめる。
「……立花社長の会社に、コンビニのツナマヨのオニギリが大量に届いたらしいです。段ボール一杯に」
背中がぞくりとする。
此処は、立花さんのマンションだし、カードキーがないと入れない階だし、
荷物も全て下のロビーで対応しているし、人が上がって来れないのは重々分かっているけれど、怖い。
今すぐにでも、ドアを叩かれそうで怖い。
もうすぐ近くのコンビニまで藤宮さんが来てるんだ。
「お、俺は何も出来ないのでしょうか。このまま、此処で――」
此処に閉じ込められてる?
そう一瞬でも絶望してしまった自分に嫌気がする。
守られてる。
ちゃんと俺はあの人に守られてるんだ。
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