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それから、俺は寒田さんが買ってくれたパジャマを着たままリビングのソファで体操座り、ずっとニュース番組を見ていた。 「そう言えば、ベットが届くらしいですね。うちの社長が注文したんですって。アンティークの天蓋付きって」 「へー」 「この際、身の周りのモノをもっと揃えてらどうですか?」 「……でも、リューさんの話を聞く限り、藤宮さんの件が解決したら、きっとここに居る理由がなくなりますよね」 「立花社長が素直に貴方を手放すとは思えませんが、貴方を拘束出来る理由はなくなりますね」 拘束する理由は無くても、きっと恐怖は植え付けられていると思う。 「貴方の話は、結論が見えて来ませんね。混乱してるなら落ち着いて話を纏めて下さい」 リューさんに厭きられてしまった。 それからずっと、会話もなくテレビの声だけが響くだけだった。 やっとインターフォンが鳴ったと思ったら、菊池さんではなくベットが届いたと言う連絡だ。 「流石にベットは部屋に入って組み立てになるようですので、今日はお断りしましょうか」 「なんで?」 「念には念を、です。立花社長が許可してない人は、何人たりとも通すわけにはいきません」 「……リューさんに任せます」 何処も、誰も信用できないと思ったら、この格子の中に守られていたいとさえ思ってしまう。 本当に俺はちっぽけで、色んな人に翻弄されて、流されて行くだけの人間だ。 「その判断は――間違いでなかったな」 「!?」 ベットを断ってから一時間ぐらいだったろうか。 立花さんが帰ってくてくれた。

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