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「拳銃がないと殺されるってどういう事ですか?」
『借りてたんだよ。借りただけ。借りて君を救い出したら返そうと思っていたのに。ううううっ 助けてあげられなくてごめんね、ごめん、ごめん、俺の榛葉』
電話の向こうで、藤宮さんが雄叫びをあげた泣きだした。
温和で人の良さそうだった、警察官だったのに。
「俺が菊池さんに賭け合ってみます。佐之助さんとは、スイマセン――立花さんと約束してるので」
『それじゃ間に合わない。俺は殺されちゃう。その家のどこかにあるはずなんだ。あるはずなんだ……』
――この部屋に?
『探して持って来てくれないかな。今、君がいるマンションの目の前まで来てるんだ』
「!?」
先ほどから、支離滅裂で、感情の起伏が激しくて――恐怖しか感じられない。
でも。
『見つからなかったら、車で立花目掛けて突っこんで奴もろとも死んでやる』
「や、やめてください。貴方も立花さんも大切な命を」
……。
拳銃なんて立花さんが持っているなんて聞いたこと無い。
でも、―さっき。
俺が寝たと思って油断した時の二人の会話。
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