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第123話

『ふ、――藤宮さん。俺』 あの時、俺――、リューさんに確認を取ろうとしていたんだ。 『ああああ、すいませんすいませっ』 『藤宮さん!』 硝子が割れるような音と共に、謝る藤宮さんの声と、殴られるような音。 迷っている暇はないと、俺は勝手に飛び出してしまった。 けれど、マンションの下に着くと、割れた瓶の破片が地面に散らばるだけで当たりを見渡そうとして、目隠しと薬品を嗅がされて、暗転してしまった。 リューさんが立花さんに怒られていないか不安になる。 あんなに、――あんなに俺に恐怖を植え付けてまで立花さんは俺をこんな事にならないように守ってくれたのに。 きっと今頃、俺の馬鹿さ加減に呆れていると思う。 衝動的に行動して皆に迷惑かけて。

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