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第140話
「そこの花嫁を守る為なら他のモノを殺してもいい。彼の考えは破綻はしているが一本筋が通っている。お前さんみたいに、ただ財産を貰ってのうのうと社長になっているガキよりは、彼を幸せに出来るんではないかね」
佐之助さんは否定も肯定もせずに、ただそう言う。
「たまたま、そこの花嫁さんがストーカーされ住む場所を探していると聞いてね、君が会う意思が無いのなら、火事の中、花嫁を助ける警察官なんてきっと恋に落ちるだろう。おそらく彼はそう考えて火事を起こしたんじゃないかな」
「ふうん、マンション契約も火事もやはり貴方が一本噛んでいたんですね」
菊池さんも、立花さんも、佐之助さんも。
この緊迫した状況で、どうして冷静にいられるんだろう。
俺は立っているのがやっとなのに。
「逆に、なんで君はあの日に花嫁に会いに行った? もっと早く会いに行けば良かったのに。私が御膳立てしなければ会わなかったってことか?」
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