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第145話
(あっ……)
だから、俺の映像を一時間に一回送りつけるとか、さっきから銃口を向けているのにこちらに攻撃しようとしなかったのか。
藤宮さんから俺を守れるのかも、きっと立花さんを試していたんだ。
許せれる行為ではないけれど、ゆかりさんをこの人はやはり大切にしてくれていたんだ。
立花さんも。
俺の事を怒ってくれている。
た、立花さんだって俺に色々、酷いことしてきたはずなのに。
なのに、俺、なんでちょっと感動して潤んでしまってるんだろう。
鼓動もやけに早いし。
変な、気分。
居心地が悪い。
今はそんなことより、佐之助さんのことを優先するべきなのに。
俺は、立花さんの不器用な優しさに触れたような、胸が苦しめられたような変な気分だ。
落ち着かなかった。
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