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第156話

「寝てしまってたのか」 「お腹空いてませんか? 買ってきてもらいましたよ」 榛葉がコンビニのおにぎりを差し出したが、好きだと言っていたツナマヨが一個も入っていないのに気が付いた。 だが、――見ないふりをした。 「すまない」 「?」 「俺の、いや、俺が疎まれているばかりに、お前を巻き込んだ。すまなかった」 頭を下げると、撃たれた左足が痛んだが今までの榛葉の気持ちも構わずに酷いことをしていた俺の行いに比べれば軽いものだ。 「立花さんが謝らないでください。俺、俺が藤宮さんに着いていったばかりにこんな、こんな傷を負わせてしまって俺――」 「いいや。俺がお前を浚ったからだ。俺がお前を欲しいと思ったから、だ」 すまない、ともう一度謝ると榛葉は儚げに笑った。 花が綻ぶような、消えてしまいそうな、淡く。 「ふふふ。俺達、謝ってばっかりですね。なんか立花さんが優しいと変な感じ、です」

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