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第158話

「約束しろ。もう二度と佐之助とは会うな」 びくりと榛葉が身体を強張らせた――がすぐにへらりと笑う。 「も、う会いたくありません」 「そんな顔をするな」 今にも泣き崩れそうな、顔。 一日も誘拐されていなかったのに、どんな酷いことをされたのか。 やはりあのクソジジイ殺すべきだったか? 「お前みたいな馬鹿で浅はかで、何も考えていないような能天気、面倒見れるのは俺だけだ」 「立花さん」 「俺に守らせろ。俺が絶対に――いや、俺はもう二度とお前のことを離さない。浚われるぐらいならもう、二度とこの腕からお前を離さない」 例えお前に嫌われても――お前を失うよりマシだ。 これ以上、俺を不安にさせるだけの馬鹿な行動しかしないなら、俺はお前を離さない。 「……そ、そんなこと言われたら、ど、う、どう? いや、どんな顔していいか分からないです。怖がるべきなのか喜んでいいのか、俺、わからないです」

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